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香りのコメントの仕方 2-1. 特徴(白)

テイスティング・コメントの中で一番難しいところです。どのような香りがするかを何かワイン以外の物に例えて表現します。ソムリエ、ワインエキスパート二次試験では、下記の項目に分けて回答します。

  1. 果実・ナッツ
  2. 花・植物
  3. 香辛料・芳香・化学物質

近年の試験では、1. 果実、ナッツと、2. 花、植物は、同じグループにまとめられているようです。ただ、個数が多いので別々に考えた方が分かりやすくなります。

項目毎に多数の番号選択肢があり、その中から複数個選択します。選択できる個数は項目毎に決められていて、解答用紙に指示されています。それぞれ2〜3個ということが多いようですが、ワイン毎に異なっています。2015年に出題されたシャルドネの場合は、下記の個数の選択が指示されていました。

  1. 果実・ナッツ・花・植物: このグループの中から合計2個
  2. 香辛料・芳香・化学物質: このグループの中から合計3個

シンプルな香りのワインの場合には、選択できる個数は少なくなり、一方で複雑な香りのワインの場合には個数が多くなります。選択できる個数でワインのタイプもなんとなく想像がつくと言っても良いでしょう。

白ワインと赤ワインとでは香りが異なりますので、白ワインから項目別に説明しましょう。

1. 果実・ナッツ(白)

フルーツの香りは、ワインの香りの基本となるものです。一般には、フレッシュ、加熱加工(ジャム)、ドライフルーツと区別して表現しますが、ソムリエ、ワインエキスパート二次試験では区別せず、下記のような用語で表現します。

度合い二次試験で使われる用語良く適合する品種
1
柑橘系
柑橘類
青リンゴ
リースリング、ミュスカデ、甲州
2
小種系
リンゴ
洋ナシ
メロン
マスカット
ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネ(寒冷地)、シュナン・ブラン
3
核種系
花梨
モモ
アプリコット
シャルドネ(温暖地)、セミヨン
4
熱帯系
パイナップル
パッションフルーツ
ライチ
ヴィオニエ、ゲヴュルツトラミネール、ミュスカ
その他
ナッツ系
炒ったアーモンド
ヘーゼルナッツ
シャルドネ(樽香のある場合が多い)

度合いはブドウの熟度に比例します。また、ブドウ品種によって度合い1〜4のどの香りがするかがだいたい決まります。そして同じ品種でも、寒冷な産地で生産されたもののようにブドウの熟度が低い場合には度合いも低くなり、逆に温暖な産地でブドウの熟度が高いものは度合いも高くなります。

また、ミュスカと「マスカット」、ゲヴュルツトラミネールと「ライチ」、のように特定の品種と強く結びついた香りもあります。

「ヘーゼルナッツ」は「ノワゼット」とも言い、「炒ったアーモンド」と並んでシャルドネの香りの表現に用いられます。

2. 花、植物(白)

花の香りは、一般にワインの若々しさを表します。また、植物の香りは、一般にブドウの成熟度合いを表します。ソムリエ、ワインエキスパート二次試験では下記のような用語で表現します。

種類二次試験で使われる用語
すいかずら
アカシア
キンモクセイ
菩提樹
白バラ
植物ミント
ヴェルヴェーヌ

「すいかずら」はわずかに甘い花の香りです。「アカシア」ははっきりとした甘い香りでアカシアの蜂蜜の中にも感じられます。どちらも若い白ワインに辛口甘口を問わず非常に良く感じられ、定番の表現として用いられます。

「ミント」と「ヴェルヴェーヌ」はハーブティの香りと考えると分かりやすいと思います。「ヴェルヴェーヌ」は「レモンバーベナ」という名前でハーブティが売られています。

3. 香辛料・芳香・化学物質(白)

白ワインの香辛料・芳香・化学物質の香りは、ソムリエ、ワインエキスパート二次試験では下記のような用語で表現します。

種類二次試験で使われる用語
ミネラル香貝殻
石灰
火打石
ヨード
焦げ臭トースト
カラメル
スパイス香ヴァニラ
白胡椒
コリアンダー
香木
その他バター
ハチミツ
硫黄

ミネラル香

ミネラル香は説明が難しい香りですので、ミネラル香とは? をごらんください。フランスのワイン雑誌からの引用です。「貝殻」「石灰」は、品種を問わずフレッシュで生き生きとした白ワインのミネラル香を表現するときに良く用いられます。「火打石」も同様の香りですが花火が燃焼したときのような香りとして感じられます。

「ヨード」はミネラル香の一種で、海藻や牡蠣の香りです。海の匂いといっても良いでしょう。シャブリ、ミュスカデに良く感じられますが、甲州など日本のワインにも感じられることがあります。

焦げ臭

「トースト」は「パン・グリエ」とも言い、焦げたパンの香りです。シャルドネや少し古いシャンパーニュに感じられます。「カラメル」は、「わたあめ」のような甘くて香ばしい香りです。甘口ワインの香りを表現するときに用いられます。

スパイス香

「ヴァニラ」は、新樽熟成に由来するヴァニリンという成分の甘い香りです。「コリアンダー」は、エスニック料理に入れられるコリアンダーシードというスパイスで、甘く爽やかな柑橘系の香りがします。「香木」は、沈香や白檀など心地よい芳香を持つ木材の香りです。「コリアンダー」と「香木」は、リースリングやソーヴィニョン・ブランのハーブ香を表現するときに用いられます。

その他

「バター」とはジアセチルという物質の臭いで、発酵バターに強く感じられます。ワインのマロラクティック発酵中に生成する香りです。一部のこってり系のシャルドネに感じられます。

「ハチミツ」は花から採集しますので、花の香りと蜜蝋の香りが合わさって感じられます。甘口ワインに良く感じられますが、辛口ワインに感じられた場合は、色が濃くやや酸化気味の重い味わいのワインであることが多いようです。

「硫黄」という物質自体には香りはありませんが、これは硫化水素、つまり、ゆで卵、温泉の臭いを表します。ワインが還元状態に置かれたときに出てくる還元臭という臭いです。良好なビン内熟成のサインですが、強いと不快に感じられます。