ミネラル香とは?
ミネラリーなワインって何?
フランスのワイン雑誌 La Revue du Vin de France No.569からの引用です。あらすじだけ紹介します。
ワインを表現するときに使われる「ミネラル」とは何なのだろう。学者、造り手、売り手、飲み手はいろいろな事を言うがよくわからない。辞書を引いてみても「無機質」と書かれているだけだ。「ミネラル」という用語は、ワインの世界では20年ほど前から使われるようになった。最初は学者が使い始め、今ではポピュラーな表現になっている。
人々は、一般にワインが心地よい味わいであり、またフレッシュであるとき「そのワインはミネラリー」だと表現する。でも、それが具体的に何を指しているかは明らかではない。ある人はミネラルとは香りの表現だと言い、別の人は味わいだと言う。一つ言える事は、これは一般に白ワインに対して使う表現なのだ。香りなら、火打ち石、チョーク、雨上がりの土、墨、インク、鉛筆の芯、貝殻、ナフタリン。味わいなら、フレッシュ、生き生き、酸、苦み、塩けを意味する表現である。
ボルドー大学のデュニ・デュブルデュ教授は、ミネラル風味と還元臭との関連を指摘する。還元臭の正体の硫化物(イオウ化合物)は、1リットルあたり0.3ピコグラム(1ピコグラムは10億分の1グラム)含まれていれば感知される。
栽培方法がワインにミネラル風味を与えている可能性もある。「イオウ」だ。ウドンコ病を予防するため、ブドウ畑にはイオウが散布される。このイオウはワインの還元臭の原因となるが、同時にこの硫化物臭は、しばしばミネラル風味として感知される。
醸造方法も同様である。全房発酵、シュル・リー、バトナージュなどの工程はワインにチオール化合物(メルカプタンとも言われ、都市ガス様の臭いをもつ)をもたらし、これもミネラル風味として感知される。
ワインに添加される酸化防止剤SO2がもたらす還元臭も、ミネラル風味として感知されることがある。また、ワインに含まれる炭酸ガスが、酸味と塩けを強く感じさせ、これがミネラル風味を生み出すこともある。さらに、ミネラル風味は熟成とともに生まれる、という意見もある。また、還元臭などはミネラル風味でも何でもない、という意見もあり、本当にさまざまである。
ミネラル風味とは不可解なものである。。。
記事には、専門家が選んだすごくミネラリーだと思うワイン4本があげられています。
- オステルタグのアルザス・リースリング・グランクリュ
- ドメーヌ・ルーロのムルソー・ペリエール
- ティエリ・ジェルマンのソミュール・シャンピニ(赤)
- ボルドーのシャトー・ポンテ・カネ