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ソムリエ試験 合格者の感想とアドバイス H.Tさん

第3章: 二次試験対策、毎日、白2種、赤2種の同時比較

二次試験は完全な独学は難しい

二次試験は今まで個人的には経験したことがないテイスティングの試験のため、どのように準備を行えば良いかわからず、「独学では難しい」と考えていました。そこで、自宅での練習に加え、いくつかの講座をスポットで受講することとしました。

また合格率だけを見れば二次試験の方が容易であるように見えますが、難関の一次試験の合格者は私と同等な準備、対策を行ってきた人たちのはずであり、当然二次試験も同等な準備を行うはずで、その方達と競って合格するのは合格率ほど易しいものではないと思いました。

ワイン受験.comの動画を観て、小瓶にワインを詰め替える

一次合格後すぐに対策を開始し、まずワイン受験.comの「ソムリエ・ワインエキスパート二次試験対策動画配信2025」の配信がちょうど始まったので、これを視聴し、基本方針を確立しました。

自宅でのブラインドテイスティングの練習はC1000方式で行うと決めていたため、C1000を24本一次試験よりも前に購入していました。普段清涼飲料水を飲まないので空瓶作りに苦労しましたが、家族にも協力してもらい、一次合格後には何とか24本の空瓶を手に入れました。

当初は1本のワインを4本のC1000の瓶に分けて入れていましたが、限られた期間とC1000の瓶数でできるだけバリエーションを確保するため、1〜2本に分けて残りを晩酌で飲んでしまうスタイルに変更しました。その結果、24本の瓶になるべく異なるワインを入れて比較練習ができました。

毎日、白2種、赤2種の同時比較

最初は1ワインずつのブラインド練習から始めましたが、思った以上に難しく、複数品種同時比較が必須だと痛感しました(ちゃんと二次試験対策講座に説明がありますね)。

テイスティング練習時には毎回コメントシートを埋めるように練習しました。これは、コメントの基本パターンを躊躇なく選択できるようにし、限られた試験時間で効率よく回答するために始めたものです。結果的に試験本番でのコメントシートを埋める作業はスムースにできたと思います。

自宅でテイスティングの練習中に気がついたのですが、同時にテイスティングするワインの数も、赤白それぞれ2つずつ、計4グラスで行った方が、より本番の環境に近いので、そちらの方が良いだろうと思い、途中からは4グラス同時にテイスティングするように改めました。二次試験の準備を始めてからは、特別用事がない日以外はほぼ毎日自宅でテイスティングの練習を行いました。

コメントは基本4パターンをベースに修正を加える

コメントシート作成の方針は基本の4パターンである赤軽、赤重、白軽、白重(樽香あり)をベースに、ワインの個性や、品種に合わせ、動画講座やオンライン・対面セミナーで得た情報をもとにコメントを修正していきました。

例えば基本パターンから少し離れている、樽香のない赤の場合(ガメ、マスカット・ベリーAなど)や超アロマ系(ゲヴュルツトラミネール、トロンテスなど)については、受講したワインスクールの二次試験対策講座で得た情報から、基本パターンからどこを修正すべきかを習得しました。

練習用ワインの選び方

また、練習用のワインを購入する際に受験後に大事だと感じたのは、「試験に出る価格帯のもので、かつ品種の特徴が出ていて、特別な作り方をしていないもの」を選ぶことです。

個人的な反省点として、オーストラリアのリースリングを練習用に購入した際、誤ってあまり一般的ではないと思われる樽熟成されているものを選んでしまいました。まだテイスティングに慣れておらず、何の香りがどの要素か判断できない時期だったため、自宅練習時に大変混乱しました。

また模範コメント付きのワインを使うと、自分の方向性が正しいか判断しやすく特に最初の頃はおすすめです。

ワインスクールが販売するセットは割高かもしれませんが、その点で非常に有用でした。また自宅で練習する際、同じ国の同じ品種でも異なる銘柄を複数使って練習しておかないと「その1本の特徴=国、品種の特徴」と誤認する危険があると思います。できるだけたくさんの銘柄で練習した方が良いと思います。

ワインスクールの講座もスポットで受講

ワインスクールの二次対策講座はそれぞれ異なるワインスクールが提供する、3つの講座をスポット受講しました。さらにオンライン模試と、10月4日の山崎先生のNHK青山カルチャー教室「ソムリエ、ワインエキスパート二次試験対策講座」にも参加しました。

ワインスクールの講座では過去の正解コメント比率や模範解答など、独学では得られない情報が得られた一方で、「この品種はこのような香がするのでこれを選ぶ」という具合に説明されることもあり、その時点での自分の実力ではちょっと無理かな、と感じました。

私は、基本的には「ワイン受験.com」の二次試験対策講座で提示されていた、基本の4パターン である赤軽、赤重、白軽、白重(樽香あり)にフォーカスし、できるだけ特定品種のみ正解になる選択肢は避けるようにしようと思いました。

基本品種以外を当てるのは難しい

9月中旬には基本6種(ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、シャルドネ、リースリング、ソーヴィニヨン・ブラン)を中心に手応えを感じ始め、他の品種も加えつつ練習を進めました。

しかし最後まで、その他の品種を当てることは難しく、さらに興味本位で受講した「鈴木明人と学ぶブラインドテイスティングの教科書」講座(赤6品種のブラインドテイスティングを行う内容)では全く歯が立たず、ブラインドテイスティングの奥深さを痛感しました。

そんなことがあり本番では「基本6種+自信ある超アロマ系のみから品種は選ぶ」で臨む方針を立てました。

試験直前で受講したNHK青山カルチャー教室の「ソムリエ、ワインエキスパート二次試験対策講座」では6品種の復習が改めてでき、個人的にはコメントの方向性は問題なく、また約8割は国と品種とも正解できたと思い、その時点ではそこそこ自信を持てました。しかし、試験当日は別物でした。