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テイスティング・コメントの選び方・味わいの甘味

甘味とは

日本酒に感じられる甘味は、酒のグルコース濃度(ブドウ糖の濃度)、酸味の強さ、アルコール度数などに関係してきます。特に酸味は甘味を相殺するため、酸味が強いと甘味を感じにくくなります。

SAKE DIPLOMAでは、その酒に感じられる総合的な甘味を下記のように表現します。数字が大きいほど強い甘さを表現していると考えてください。

  1. 弱い
  2. 上品な
  3. まろやかな
  4. ふくよかな
  5. 強い

形容表現について

甘味の強さは、弱い → やや弱い → 中程度 → やや強い → 強い、と表現した方が分かりやすいという人もいますが、上記のような表現になっています。これは「形容表現を用いる」というソムリエ協会の基本方針のためです。

ソムリエコンクールやSAKE DIPLOMAコンクールでは、例えば「中程度」というような表現は嫌われる傾向にあり「まろやかな」というような形容表現に置き換えて表現することが求められます。

全体の傾向を知っておこう

市販の一般的な日本酒のグルコース濃度は、非常におおざっぱに言うと下記のような値です。(この範囲から外れるものもたくさんあります。)

  1. 純米酒、本醸造酒: 1.0〜1.5%
  2. (純米)吟醸酒: 1.5〜2.0%
  3. (純米)大吟醸酒: 2.0%以上

つまり高級酒の方が甘くなります。(純米)大吟醸酒が最も甘い酒です。華やかな香りとバランスを取るため、(純米)大吟醸酒はどうしても甘く造られる傾向があります。

次に甘いのが(純米)吟醸、一番辛口なのが純米酒、本醸造酒となります。また、香味の濃い酒や熟成古酒は、甘味を強く造るのが一般的です。

選択の指針

試験の正解は、だいたい上記の全体の傾向通りとなります。下記のような選択をおすすめします。

純米大吟醸酒、大吟醸酒

このタイプの酒は、通常は最も高いグルコース濃度を持ちます。3. まろやかな または 4. ふくよかな のどちらかを選択することをおすすめします。

純米吟醸酒、吟醸酒

このタイプの酒は、グルコース濃度がやや低くなります。2. 上品な または 3. まろやかな のどちらかを選択することをおすすめします。

速醸系酒母の純米酒

このタイプの酒は、グルコース濃度が一番低いグループです。2. 上品な または 3. まろやかな のどちらかを選択することをおすすめします。かなりドライに感じる酒の場合 1. 弱い が正解になることもあります。

生酛山廃系酒母の純米酒

このタイプの酒は、濃厚な香味を持つものが多いため、甘味も強くなります。3. まろやかな または 4. ふくよかな のどちらかを選択することをおすすめします。

熟成古酒

熟成を前提に造られる酒は、通常は甘味を強く造ります。4. ふくよかな または 5. 強い のどちらかを選択することをおすすめします。