独学でソムリエ二次試験に合格する、大切なこと
それではこれから、ソムリエ、ワインエキスパート二次試験合格のためのトレーニングを始めましょう。この章では、地方在住の方や、ワインスクールに通わず独学で合格を目指している方のために、テイスティングの具体的な練習方法をアドバイスしたいと思います。
また、ワインスクールに通っていても、スクールの週1回のトレーニングでは不安だと思っている方は多いと思います。そのような方が自宅で練習する時のやり方としても参考になると思います。私のワイン・エデュケーターとしての長年の経験からアドバイスさせてください。
まず最初に、大切だと思われる5つのポイントをお話します。
1. できるだけ早く始める
テイスティング能力は短期間では上達しません。ある程度の期間コツコツと練習する必要があります。一次試験が終わってからトレーニングを始めてもまず間に合いません。今すぐ始めましょう。
理想的には1年前からトレーニングを始めてください。そうすれば、どんな初心者でもまず合格ラインに達することができると思います。
2. とにかく場数をこなす
テイスティングは、繰り返し練習することでだれでも一定のレベルまでは上達します。たまに思い出したように練習するのではなく回数をこなしましょう。
多くのワインスクールでは、1回60分のトレーニングを週1回行います。スクールに通っていない人も負けないくらい練習しましょう。理想的には、1回30分のトレーニングを週2〜3回やることをおすすめします。
3. 必ず比較する
1種類だけのテイスティングは、いくら繰り返してもなかなか上達しません。必ず複数のワインを比較して特徴を覚えましょう。1回30分のトレーニングなら、3種類の比較が適切かなと思います。
4. ブラインド・テイスティング
ラベルを見ながらテイスティングしても、なかなか上達しません。いつも正解を見ながら練習問題を解いているのと同じだからです。なるべく銘柄が分からない状態でトレーニングしましょう。
独学の方はこれが難しいのですが、良いやり方がありますので後の項で解説いたします。
5. 解説を頭に入れる
ワインスクールでは、テイスティングの後の講師のアドバイスが決定的なヒントとなり、品種や産地を見極められるようになることが多いのです。
独学では指導者に解説をしてもらうことは難しいのですが、この後の章では、私が現在広く市販されているワインを取り上げて、1本ずつ解説する予定です。ぜひ同じワインを手に入れてトレーニングしてみましょう。
そして、単に当たった、外れたで一喜一憂するのではなく、解説をしっかり頭に入れて、徐々に良い結果を残せるようにがんばりましょう。