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SAKE DIPLOMAのテイスティング・コメント

概要

SAKE DIPLOMAの二次試験では日本酒が4種類出題され、番号選択式でその酒にふさわしいテイスティング・コメントを回答します。

従来の日本酒の解説やコメントは、例えば科学的に香味の成分を分析したものや、抽象的な言葉で短く酒の特徴を表現したものが主流でした。

しかしSAKE DIPLOMAのテイスティング・コメントは、従来の日本酒業界のテイスティング・コメントとは異なり、ワインに準じた国際共通言語によるテイスティング・アプローチを採用しています。

外観、香り、味わいの順で、極力ワインと共通の表現用語を用いてその酒の特徴を描写することにより、世界中の人たちに日本酒の素晴らしさを発信できることを狙っています。

フルコメントの一例

SAKE DIPLOMA流のテイスティング・コメントの一例を示します。久保田 千寿 吟醸(新潟県、朝日酒造)のテイスティング・コメントです。

ちなみにSAKE DIPLOMAコンクールでは、下記のようテイスティング・コメントを、予選では筆記で、決勝では口頭で回答する必要があります。

外観

外観は、透明感のある無色に近いクリスタル。

香り

香りの第一印象は、若々しく爽やか。

フレッシュなグレープフルーツ、洋梨、完熟した白桃、わずかに香るバナナとメロン、やさしく甘いスイカズラの花。さらに上新粉、白玉団子の様な米の香り、アーモンドミルクのような乳製品の香りがやさしい印象を与えている。セルフィーユ、青竹の香り、石灰のようなミネラル香が清涼感を演出している。

味わい

味わいは、上品な甘味を伴う軽やかな第一印象。続けて穏やかな旨味が広がる。

中盤から後半にかけては、やさしい酸味と控えめな苦味が調和して、コンパクトでフラットなバランスを保っている。余韻は短く、この酒のキレの良さを表している。

結論

早生米から造られる淡麗辛口の酒だと思われる。

特定名称は吟醸、米は五百万石、精米歩合は50%程度、酒母は速醸、火入れは2回、アルコール度数は15度程度、日本酒度は+5.0程度のさわやかな辛口。産地は新潟県。

供出方法

供出は8〜12℃で小振りのチューリップ型グラスを用いる。または50℃のお燗で磁器のちょこを用いる。

料理との相性

相性の良い料理は、和食は「野菜の天ぷら」、酒は50℃のお燗で合わせる。酒の上品な甘みとミネラル感が、野菜と良く同調する。熱めの燗酒のドライなニュアンスが、天ぷらのカリッとした食感を引き立てる。

洋食なら「アンチョビとトマトのスパゲティ」、酒は8〜12℃で合わせる。酒の果実香がトマトの風味を豊かにする。酒の青竹のような香りが、イタリアンパセリやオリーブの実と調和して料理を引き立てる。

アジア料理なら「中華前菜」(蒸し鶏、クラゲ、キュウリの甘酢風味)、酒は8〜12℃で合わせる。酒の繊細な風味が、蒸し鶏やクラゲのやさしい風味と調和する。酒のキレの良さが甘酢の風味を引き立てる。