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セットNo.5 赤基本3品種 新世界編

ソムリエ、ワインエキスパート二次試験対策ワインセット

次はもう一度基本3品種を練習しましょう。ただし今度はフランス産ではなく、新世界産のワインで練習します。

ソムリエ、ワインエキスパート二次試験は、昔は100%フランスワインが出題されていましたが、10年くらい前から新世界産のワインも出題されるようになりました。現在、出題の半分はフランスをはじめとするヨーロッパ産ですが、半分は米国をはじめとする新世界産です。特に米国とオーストラリアのワインがよく出題されます。

新世界産のワインも、私が試験に出そうなものを厳選してみました。それぞれの品種について最も試験に出やすいスタイルのものを飲み、「こういうのが試験に出るのだ」ということを理解しましょう。

1. カベルネ・ソーヴィニョン

ワインラベル
ワイン名
ライン・アンド・レングス カベルネ・ソーヴィニヨン
産地
オーストラリア、南オーストラリア州、バロッサ・ヴァレー
生産者
セント・ジョンズ・ロード
収穫年
2015年
インポーター
株式会社モトックス
このワインの入手方法
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セットNo.4で練習したボルドーのカベルネ・ソーヴィニョンと同じスタイルのワインですが新世界産です。このタイプのワインは米国産とオーストラリア産が出題されますが、このフライトではオーストラリア産を選びました。

ソムリエ、ワインエキスパート二次試験を受けるくらいの方なら、このワインは良く知っている味わいのはずです。試験に出されるワインの中では最もわかりやすいワインの一つでしょう。このようなワインが出題されたら絶対に外してはいけません。色、香り、味わいをしっかりと頭に入れてください。

トレーニングのポイント

多くのワインスクールでは、このようなカベルネ・ソーヴィニョンワインをボルドーのカベルネ・ソーヴィニョンワインと比較し、フランスと新世界のワインのスタイルの違いを学びます。ワインスクールに通っていない方も、ぜひ同じように練習して、違いを見極められるようになりましょう。

一般に、新世界の産地のほうが気候が良いため、フランスよりもブドウの熟度が高くなります。そのためワインは、アルコールと果実風味のボリュームがより大きくなります。また、新世界産の方が樽香が強く感じられることが多いのです。濃厚さ、アルコール度数、樽香、この3つのポイントに気づけば、両者は区別できるようになるでしょう。

なお、ブドウの熟度が高くなる新世界産の赤ワインは、しばしばブラックカラントやブラックチェリーのジャムのような香りが強く感じられます。新世界産赤ワインのシグナルと言っても良いでしょう。フランスではポピュラーなフルーツですが、日本では一般的ではありません。良くわからない方はジャムで覚えましょう。チップトリー社のジャムが最適です。私が教えているワイン初級クラスでも教材として使っていて、自信を持っておすすめできます。ヨーグルトにかけたりパンにつけたりして毎日食べていると自然に覚えられますよ。

2. ピノ・ノワール

ワインラベル
ワイン名
デ・ボルトリ・リージョナル・リザーブ・ピノ・ノワール
産地
オーストラリア、ヴィクトリア州、ヤラ・ヴァレー
生産者
デ・ボルトリ
収穫年
2016年
インポーター
ファームストン株式会社
このワインの入手方法
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ピノ・ノワールは新世界産の場合、おそらく米国、オーストラリア、ニュージーランド、いずれかの産地のワインが出題されるでしょう。いろいろなものがありますが、5,000円を超えるような高級品は、輸入量も少なく、試験には出にくいと思います。ここでは、最も一般的な2,000〜3,000円台のものから、新世界らしいアルコールのボリュームが感じられる典型的なものを選びました。

試験に出されるフランス産ピノ・ノワールには、新樽熟成に由来する甘く香ばしい香り、つまり樽香が感じられない、または弱いものがたくさんあります。しかし、新世界産のピノ・ノワールは、ブルゴーニュと異なり、樽香がほぼ全てのワインで感じられます。このワインも樽香がはっきりと感じられるものを選びました。

トレーニングのポイント

ピノ・ノワールは、ブドウの果皮が薄く、含まれている色素やタンニンの量が少ないため、ほぼ常に色が淡く、渋味の少ないワインになります。これは新世界のピノ・ノワールにも当てはまります。特に色が淡いという点でまずピノ・ノワールであると認識しましょう。

次にブドウの熟度の違いに注目してください。熟度が高いブドウを使っているためにアルコール度数が高くなっているのが感じられますか? このアルコール度数の高さが、このワインがブルゴーニュ産ではなく新世界産だと見わける決定的な手がかりとなります。

そしてブルゴーニュ産よりも果実風味の凝縮度がはるかに高いのも感じられますか? 一言で言うと「おいしい」のです。通常このように「おいしい」と感じられるピノ・ノワールワインは、フランス産だと1万円以上の価格帯となり、試験には出ません。単純なようですがこれが産地を見極める重要な手がかりになります。

なお、このワインはとても熟度の高いピノ・ノワールなので、香りがラズベリーよりもブルーベリーに近くなっています。ブルーベリーの香りがわかりますか? ブルーベリーの香りを覚えるためには、チップトリー社のジャムが最適です。私が教えているワイン初級クラスでも教材として使っていて、自信を持っておすすめできます。テイスティングに自信のない方は、これを嗅いでみましょう。このジャムは中身のブルーベリー含有量がすごいです。ヨーグルトにかけたりパンにつけたりして毎日食べていると自然に覚えられますよ。

3. シラーズ

ワインラベル
ワイン名
ミトロ・ジェスター・シラーズ
産地
オーストラリア、南オーストラリア州
生産者
ミトロ
収穫年
2015年
インポーター
ファームストン株式会社
このワインの入手方法
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シラー(シラーズ)の場合、新世界であれば間違いなくオーストラリアが出題されるでしょう。ソムリエ、ワインエキスパート二次試験対策では、必ず飲んでおくべきワインの一つです。

試験に出される典型的なワインは。発酵をステンレスタンクで行った後、新樽で熟成させたものです。強い樽香が感じられることが多いと思います。また、樽材としてアメリカン・オークを使っているものも多いため、ココナツミルクのような香りが感じられることが多いと思います。

トレーニングのポイント

このワインに感じられるココナツミルクの香りがわかりますか? ワインを新樽で熟成させた時に出てくる香りには2種類あり、もしもフレンチオークの樽で熟成させていれば、バニラビーンズの香り、ヴァニリンという物質の匂いが感じられます。一方でアメリカンオークの樽で熟成させた時は、ココナツミルクの香り、ラクトンという物質の匂いが感じられます。

つまりココナツミルクの香りは、アメリカンオークの樽で熟成させたサインです。この香りがしたら、ソムリエ、ワインエキスパート二次試験では、高い確率でオーストラリアのシラーズです。わからない時は実物を買って確かめてみましょう。香りを確かめて残ったら、冷やしてマンゴーやバナナにかけて食べるとおいしいですよ。

このページで紹介したワインの入手方法

インターネットで探して購入されると良いと思います。収穫年などが変わっていても、ワインのスタイルは大きくは変わりませんので、その時に買えるものを入手されることをおすすめします。